2010年11月19日金曜日

授業料上げる前に・・・

最近、また学生のプロテスト活動が盛んになってきました。来年に授業料が8%値上がりするそうです。Who's University, Our University.と怒声がキャンパス中心に響き渡っています。

学生の言い分としては、授業料上げる前に、警察なんか無くして経費削れよ。ということらしいです。 地面に、Cop off campusという落書きがされていました。

一体なにを取り締まっているのか?

警察に加えて、軍が学内に入っていたり、ヘリコプターまで出動したり、もはや意味不明なことが多すぎます。

チョッパー飛ばす前に経費削減して下さい

加えて、学生証がUS Bankと提携(登録すればATMカードになる!)していたり、Taco Bell Express、Pizza Hut、Carl's Jr.やスターバックスが学内で営業していたり、大学が学生から金を吸い取ってビジネスをしているとしか考えられません。
 そんなこんなでカオスな状況の中、学費は6年でほぼ倍になりました。ちなみに、去年は32%値上げされ、バークレーで大規模なプロテストが起こりました。にもかかわらず、政府からの資金援助が大幅に削られたということで、来年にさらなる値上げを行うらしいです。

National Center for Education Statisticの統計によれば、州立大学の一年の授業料が$6,319なので、UCの授業料がどれだけ高額(約二倍)かが分かります。

前回の記事にも書きましたが、EAP枠が縮小されるのも無理ありません。ここで裏話ですが、私が筑波にいたとき、Budget Cutは個人レベルでは大きな影響はないということを担当の先生から聞かされました。いやいや・・・。EAP生用のESLが無くなったり、英語のテストがなくなったり、様々な部署が閉じられたり、バークレー行きのバスが少なくなったり、影響大ありですよ。

もし、私がアメリカ人だったらこれだけBudget Cutされると、奨学金でも出ない限り、敢えてUCを選ぼうとしませんね。理由は図体がでかいだけで、それだけ学部生への教育が充実しているとは思えないからです。

UCは大規模な研究機関です。ランキングに惑わされない大学選びをおすすめします。

ということで、来年から筑波大学からCalifornia State Universityへの交換留学が可能になりました(ソース)。もし、様々な事情でUCに行けないのなら、カリフォルニア州立大学に行くという手も候補になりました。教育レベルはそれほど変わらないと思われます。ぜひ検討してみて下さい。

2010年11月17日水曜日

Washington Program

UCが最も力を注いでいるプログラムの一つであるWashington Programへ応募しています。本プログラムは、各UC Schoolから10名程度の学生を首都のD.C.に派遣し、約三ヶ月のインターンシップを提供しています。

J.P.モルガン、IMF、Department of Commerceなど世界的に知名度のある企業、国際団体、官公庁にインターンシップを行いながら、D.C.のUCセンターで教授の下でペーパーを書く経験ができます。春、夏、冬と各クオーターで単位を取りながら、実地体験ができるすばらしいプログラムです。本プログラムのために、UCに来るというのも、EAP生はアリかもしれません。それだけ、価値がある内容です。

本プログラムの存在は、ICUのUCセンター 主催の説明会で、名前を知っている程度でした。しかし、行動力抜群の友人に触発され、ダメ元でも良いからアプライしてみました。書類で落とされても、エッセイやExperiencesを書くプロセスが勉強になると思ったし、何よりせっかくの機会なので思い切って挑戦しました。

エッセイの構成が良かったのか、我が筑波の大先生の推薦状が功を奏したのか、時の運か・・・、とにかく真偽は分かりませんが、本日、書類審査は無事通りました。

月曜日に、面接があります。このような機会を利用して、フォーマルな形式のコミュニケーションの涵養を図りたいと思います。週末に、アメリカ人の友人に付いて面接の訓練を行う予定です。

2010年11月14日日曜日

ただの学生になりたくない 動け!

久しぶりに(私の中では一番)優秀であろうと思われる学生に会いました。彼は、SF Stateからのトランスファー生ですが、考え方が本当に面白いです。あらゆる物事に博識です。そして、勉強しているだけでなく、実際行動しようとする最も尊ぶべき能力を備えています。

本気で、来期、もしくは春クウォーターまでに、学生をアレンジして政党を作ろうと考えているそうです。Political Scienceを「ただ勉強」するだけじゃなくて、実際動いてみようという意志がびしびし伝わってきました。昨日と本日にUN Model Conferenceが開かれ、それに参加したそうですが、そこで殆どの参加者は単にメジャーがポリサイだから勉強しているだけという印象を受けたそうです。


会議室
 
バークレーのアナーキストとは違って、きちんとPartyを組織するという考え方が、大人だと感じました。学生を集めるために、まずはアフガンやイラクの反戦フィルム上映会を学内で実施します。クラブを作るには50ドルを大学に納めるだけでよいそうです。アイディアが実行に移される過程は、本当にわくわくします。全世界にこういう仲間がいると思うと人生が楽しくなります。

2010年11月13日土曜日

大学の教育

久々のブログ更新です。今日で、渡米丸二ヶ月が経過しました。

今回は、こちらの大学教授がどれだけ学生のことを考えているかを書いてみます。

UC Davisには受講中の授業全般を管理する特別なサイト、SmartSiteがあります。筑波大学にもTWINSという似たような管理サイトがありますが、内容の充実度が全く異なります。このSmartSiteではLecturerに直接チャットで質問が出来きます。


 ネコがいたずらをしたそうです

それだけでなく、このサイトでは毎週授業のPDFや論文がアップロードされます。更に、重要な告知が山ほどメール+このサイトで報告されます。

そのメールの内容がどれだけ学生のことを考えているか。Human Developmentコースの告知メールを和訳して紹介したいと思います。

みなさん こんにちは

みんなよく勉強している(ハードじゃなくてね)と期待しているよ...教材は単に覚えるんじゃなくて理解するようにつとめてね。理解すればテストで良い点がとれるでしょう。テスト問題は、知識を応用するものです。

授業中の告知を見逃した人のために言うけど、テストは全部選択式問題で、記述はありません。テストの問題数は君たちの学習のために答えられないけど、というか、どんな問題がでるか推測すると思うけど、あまり意味がないよ。解答時間はいっぱいあるから、焦らないでね。

もう一つ、授業に出なかった学生に言うけど、テストはSTIからSOまでで、SC/SSは範囲外です。でも、SC/SSは次のファイナルには出るよ。水曜日のFBIの人のプレゼンテーションを聞き逃した人には、出席した友人に教えてもらってね。すごく頭を使うレクチャーだったから、もったいなかったよ。

テストに向けてよく勉強するっていうのはね、ノートを復習してテキストをもう一回読んでみるといいでしょう。PDFでアップしたスタディガイドは暗記じゃなくて、理解の確認を意識して構成しています。君たちみんなが、スマートサイトのチャットルームでお互いに助け合って、内容をよく覚えられるようにすることを強く勧めるよ。スタディガイドの質問にちゃんと答えられるんだったら、良く理解しているって事で、もしそうでないなら、自分自身の説明と考えをまとめると良く覚えられるでしょう。

前のテストの結果を言うと、中央値はBで、これって、500人近くいる学生の中でクラスのちょうど半分がB以上を取得したって事で、クラスの半分がB以下を取得したってことも意味します。前のレビューセッションは、200人を超える学生が参加したんだけど、これが平均を上げた一つの理由でしょう。

だから、リマインダーを書きます。
明日(11月14日)、レビューセッション、午後4~6時、194CHEM
クリッカーを忘れずに持ってきて下さい。

明日は、定期的にチャットをチェックするけど、前回みたいにチャットレビューセッションを分けることはできないよ。だから、みんなお互い助け合ってください。確認するけど、成績は相対評価じゃないから、お互い助け合っても成績に傷はつかないよ。

グッドラック、よく勉強してね。ハードに勉強するんじゃなくてね。たっぷり寝て、健康的なものを食べて、散歩に出ましょう。

Regards

本当に、学生のことをよく考えているというのが伝わってくるメールです。

教授だけでなく、こちらの学生は日本と比較にならないほど学習に熱心です。500人近くの講義でも、居眠りしている学生はほぼ皆無で、日本の大学のように、授業をしている様に見せかける講師と授業を聞いている様に見せかける学生の構図はありません。

合理的なもので、面白くない授業には学生が来ません。そして、学生がこなければ、講師は首になります。ここらへんは、権威に巻かれる日本人(東アジア人全般?)と合理的な欧米人の違いなんでしょうかね。非常に興味深いです。

日本と異なり、Undergradの授業でもとても面白いです。勉強が楽しくなるような動機付けをたくさん用意してくれています。 日本の大学教育に幻滅したら、こちらに来て下さい。そして、帰国して日本に貢献しましょう。